保育内容

保育内容

異年齢保育(個の育ちを見守る)

社会の急激な変容で、子どもを取り巻く環境は大きな変化をみせてきました。外あそびの減少や少子化から、家庭や地域において異年齢で遊ぶことが見られなくなってしまったこともその一つです。

子どもたちが遊びを通して身につける自主性・積極性・自立心・善悪の判断などは、保育士の語りかけで理解するより、子ども同士の遊びの中から肌で感じ取っていく面が多くあります。

園では平成元年から異年齢保育に移行しましてが、様々な場面で色々な気付きを与えてくれています。とりわけ同年齢保育にくらべ、遊びの幅が広がり、子ども同士の伝え合いの中で、私たちが期待する以上に子どもの心に育つものが大きいことを実感しています。

年少児は年長児が遊ぶ姿や言葉づかいをまねながらダイナミックに遊びを発展させていきます。年少児にとって年長児はモデルであり、常に意欲をかきたてる存在といえます。また、年長児の遊ぶ姿は自信に溢れ、年少児へのかかわりには優しく思いやりでいっぱいです。その中で自己統率力も培われていきます。

個の創造力が必要なこれからの時代は、発達や興味に個人差のある子どもたちがそれぞれ好きな遊びを選び、充実して過ごすことが必要です。一人ひとりの姿をしっかりと抑え、保育ができる仕組みの導入と気付きを通して、こども園が子どもにとって安心できる心地よい生活の場でありたいと思っています。

リズム運動と体幹遊び

鉄棒や飛び箱、「より速く走る、遠くまで投げる」などの体力は小学校に入学してから伸びる力ですが、運動神経とは、いわゆる「身のこなしのよさ」「たくみさ」「すばしっこさ」のことで、自分の身体を意のままに操れる能力で、乳幼児期に身につけなければならない大切な力です。

また、運動神経は「動きが育てば身体が育つ」ともいわれ、ほとんどが遺伝ではなく後天的なものです。運動に関する脳細胞は2歳くらいからの遊びによる神経間ネットワークの形成を通して10歳までにほとんどが完成します。

子どもの身体や手の発達が日常生活やあそびの中で自然に促されることが期待できない最近において、意図的に取り組んでいるのが「リズム運動と体幹遊び」です。リズム運動は子どもの発達の過程に則って獲得して欲しい力を考えて生まれたもので、動物や乗り物の名前をかりたリズム表現運動でもあります。

乳児にも楽しく取り組める内容ですが、裸足保育と相まって幼児では力強い活動となっています。音楽のリズムに合わせて身体を動かすことは、血液の流れをよくし、脳を活性化させます。保育士の指示や号令ではなく、異年齢の中で年長より順番に行うことで自発的に覚えます。また、子ども自身が音楽を聞き判断して行うことで、自分で考え行動する子どもの力も育っています。また体幹遊びは、遊び感覚を大切にしながら、筋力やバランス能力を培っています。身体の動きをコントロールする小脳を鍛えることは、その後の運動能力、集中力を伸ばす基本となります。

プロジェクト保育

人間として生まれつき備わった五感の力も、そのままだと小学校に入ると衰えだすといわれています。それだけに乳幼児期にはできるだけ多くの実体験をさせてあげたいのですが、最近の子ども達は地域で遊ぶこともまた家庭でのかかわりも少なく、共感することで培われる人間関係作りも、うまくありません。

またテレビやDVDなど断片的な情報や、インターネット上には間違った情報が溢れている時代だけに正しい判断を行うことが求められています。時間や空間認識、数の概念、体、世界など、毎月、テーマに沿った環境を用意することで、自然と興味が湧き、遊びを通した広がりと経験から学べる「プロジェクト保育」に力を入れています。

その学びをつなぎ「物事の決まり・仕組み・働き」を知って、言葉への興味や関心を育てることで深く考える力、正しい判断力で、将来自立して人生の課題を解決することができるようになってくれることを祈っています。

乳児担当制保育

古くからの言い伝えである「三つ子の魂百まで」の言葉は、生活習慣は突然身につくものではなく、乳児期にしっかりと教えてあげなければならないと同時に、3歳になるまではしっかりと愛情を注ぐことが大切であるとの教えです。

どれだけ便利な社会になっても人間は他人に依存しなければ生きていけません。
その人間関係づくりのスタートである乳児は、お腹がすいたりオムツが汚れたりしたとき泣いて求めます。
この欲求を満たしてあげることから信頼関係が育まれます。「愛されている」「守られている」と感じる安心感の上に、人格の基礎である「人は信頼できる」「自分は有能である」等の気持ちが培われていきます。

こども園では家庭のような1対1での対応ではなく、多くの子ども達を見なければなりません。
そこで、いつも育児をしている保育士が決まっていて、やさしい眼差しに見守られ、困ったときに助けてもらえる安心感による情緒の安定が必要です。

また、個人差や生活リズムも大切にしなければなりませんので、部屋の保育士がチーム連携を密に、子どもを待たせない保育を心がけています。担当が変わっても子ども達への保育は同じであることが安心感となります。

部屋の環境としては、食事や生活、自分を表現できる遊びのコーナーをレイアウトし、子どもが自立していけるよう丁寧な関わりや勇気づけの言葉がけで、主体的に考え行動できる力、みんなと共に自立していける力を培いたいと考えています。

乳児の一日が流れるような園生活になることで、子ども達に愛されている実感と人への絶対的な信頼感を目指しています。

TOP